油脂の【煙点】と【発火点】をわかりやすく解説!シーズニングの豆知識

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スキレットやダッチオーブンなどの鉄調理器具を使用する時に必須となるシーズニング。いろんなやり方を調べていく中で「煙が出始めてから…」という言葉を目にすることがあったと思います。この煙が出始める温度を【煙点】というのですが「油を熱しすぎると発火の恐れがあるのでは?」「家でやるのが怖い」と感じた方も多いと思います。

そこはご安心を。煙点と発火点は違うので大丈夫なんです。そこで今回は、いくつかの油脂を参考に、加熱時の温度について解説していきます。

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一般的な油脂を比較

一般的な油脂の煙点と発火点を比較した表が下記となります。

油脂の種類煙点(℃)引火点(℃)発火点(℃)
一般的な植物油(菜種油、大豆油、オリーブ油など)191-238246-315340-362
ココナッツオイル177-204218-230370-392
バター177-204204-232250-300
精製した動物脂肪(牛脂、豚脂など)204-246246-288340-371

ご覧の通り、油脂の種類によって煙点の温度や、煙点から発火点までの温度差もさまざまです。製造過程などにより変動することもあるので、数値はあくまでも参考程度ということになります。

煙点とは

煙点は油脂が熱せられて、煙が出始める温度のことを言います。煙点は油脂の種類によって異なり、煙点の高い油脂ほど高温で加熱できるため調理に適しているということになります。

シーズニングに使う代表的な油としてグレープシードオイルやアマニ油など、植物性油脂動物性油脂それぞれ例に挙げてみました。

植物性油脂の煙点の例


植物性油脂の代表的な3種類の煙点は以下の通り。

オリーブオイル:約190℃〜約210℃
ごま油:約210℃
菜種油:約230℃〜約250℃


煙点が高い菜種油は揚げ物などの高温調理に向いており、煙点が低いオリーブオイルはサラダドレッシングなどの低温調理に向いています。

動物性油脂の煙点の例


動物性油脂んお代表的な3種類の煙点は以下の通り。

バター:約191℃〜約204℃
ラード:約190℃〜約246℃
鶏脂(チーユ):約250℃


動物性油脂の中でも鶏脂(チーユ)は煙点が高く、揚げ物などの高温調理に適しています。しかし、必要以上に加熱すると、風味が損なわれたり油の劣化が早まることがあります。

発火点とは

油脂を加熱する際には、煙点だけでなく発火点にも注意が必要です。似たような言葉に「引火点」というものがありますがその違いを簡単に説明すると

発火点とは…油脂が加熱によって自然発火する温度のこと。

引火点とは…油脂が加熱され、着火すると燃える可燃性蒸気が発生する温度のこと。

ということになります。可燃性蒸気については、中華鍋の外から上がっているコンロの火がきっかけで燃え上がる様子はよくみたことがあるかと思います。これが発火点の場合となると、周囲からの要因は関係なしに急に発火するという状態です。

引火点の方が温度は低くなりますが、シーズニングの際は何もせず数十分火にかけておく作業となるので『温度の上げ過ぎには注意!』という意味で発火点を用いて説明しています。非接触温度計などを持っている場合は測りながら安全に行う方が良いでしょう。

というわけで植物性油脂と動物性油脂の発火点について、以下でそれぞれ説明します。

植物性油脂の発火点の例

オリーブオイル: 約320℃
ごま油: 約343℃
菜種油: 約315℃
グレープシードオイル: 約330℃
ひまわり油: 363℃

オリーブオイルやごま油は発火点が低めなので加熱時には注意が必要。

動物性油脂の発火点の例

バター:約250℃
ラード:約343℃
鶏油:約315℃

鶏油やラードなどは中華料理でよく使用される油です。風味もあり高温調理に非常に向いています。

まとめ

いかがでしたか?

温度を表記されてもよくわからないという方もいらっしゃると思いますが、煙が出始めた時に、火力を弱めることで煙点の温度である程度維持することができます。『200℃くらいで15〜20分ほど加熱してください。』という記事を見かけることがありますが、実際のやり方としてはこういうことになります。

本記事に記載する温度はあくまでも参考値になります。製造工程・保管状態・原材料等さまざまな理由で実際の数値は変動しますので目安としてご参照ください。

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