寒さ対策に必要な<耐寒-15℃のシュラフ><煙突仕様のテント>
…それ、ちょっと待ってください。
確かに、平地よりもさらに寒い環境で1日過ごすわけですから、冬用の道具があると快適に過ごすことができますが、必須かといえば実はそうでもないんです。もっといえば、冬用シュラフやストーブなどの暖房器具がなくても冬キャンプは可能です。
それ以外でも暖かさを得る方法はあるし、逆に暖かく寝る用意だけで十分なんです。まずはどういうキャンプをするのかを考えることが必要です。
・どこでキャンプをやるのか
・誰とキャンプをやるのか
・冬キャンプで何をしたいのか
ロッジやバンガローを利用したり、テント泊にこだわらなくても充分楽しむことはできます。個人的には、ホットカーペット(+断熱マット)があれば問題なく寝ることができるので、改めて冬用装備を購入する必要ないとさえ思っています。
冬キャンプをやったことがないという方でも、本記事の内容を参考に考えてみると冬キャンプの用意はできるはずです。まずは今の自分に必要な事を把握して、無理することなく冬キャンプを楽しみましょう!
どこでキャンプをやるのか
正直、冬ですからどこに行こうが寒いことには変わりません。
群馬県あたりでも予報に無い急な降雪で20cmほど積もったり(経験談)、山間部で風の通り道であれば体感温度は気温計以上の寒さ、冬の気圧配置は比較的風が吹きやすく、遮るものがない平原地域は不意な突風でタープ程度なら簡単に吹っ飛ばされます。現地の状況は天気予報だけでは把握しきれません。
とはいえ、冬にキャンプやろうとしてるわけですから、服装は外気の寒さに対応できるものを用意するでしょうし、銀マットなど安いものでもいいので厚めのマットさえあれば、カイロや湯たんぽを使ったり少しの工夫で大体地域は普通に寝ることくらいはできます。
本来の目的は冬キャンプをやることです。
環境を利用するという選択をしてみましょう。
- 風を軽減させる林間サイトを選ぶ
- 太平洋側に近い地域を選ぶ
- 電源付きサイトを選ぶ
林間サイト
周辺の木々が風を緩和してくれるので、テントやタープの設営の安全性が高まります。平原でまともに横風を受けるのと比べれば寒さもかなり変わってきます。また、針葉樹林の地域では冬でも葉っぱがありますので、広葉樹より防風効果があります。
太平洋側のキャンプ場
雪が降るのは日本海側で太平洋側はほぼ雪が降りません。例えば、僕の地元青森県でも、日本海側の弘前市が大雪が続いていても太平洋側の八戸市では積もるほど降ることはなく、積雪量は約1/5ほどしかないんです。雪への対策ができていないのであれば、関東周辺なら群馬県よりも埼玉県や茨城県、もしくは千葉県・神奈川県・静岡県のキャンプ場を選択するとより安心です。
電源付きサイト
その名の通り、電源を取ることができるキャンプサイト。通常のサイトやフリーサイトよりもやや高めの料金設定ですが、暖房家電をテント内で利用できるのでかなり快適に過ごせます。
注意点としては、野外で電源プラグを使うことになるので、カバー付きのコンセントであっても、防水防塵仕様の延長コードを用意しておいた方が安心です。レンタル品では防水防塵仕様ではないこともあったりします。
行ってみたいキャンプ場を目的にするのであれば、その環境に合わせた道具が必要になるでしょう。そうではなく、冬キャンプをするという目的なのであれば、やりやすい場所を選ぶことで必要とするアイテムを減らすことができたり、無駄な費用を抑えることができます。
誰とキャンプをやるのか
メンバーによっても必要なものは違い、子供・カップルの相手・夫婦の相手・友人、それぞれ気遣いの仕方が違えば、必要とする道具も大きく変わってきます。夏場のキャンプでもファミリーキャンプであれば、川遊びができて物販が整っていたりトイレが綺麗なキャンプ場を選択しますよね?
誰とキャンプをするのかによって、最低限確保しておきたいポイントはいつでもあるはず。それは、冬キャンプにおいても考え方は一緒です。
~例~
- ソロ – 寒さに耐えられれば良い
- ファミリー – 温かい料理や場所を
- デュオ – ゆったりと楽しめる空間も
- グループ – 集まる場所は外か中か
ソロキャンプ
道具をコンパクトにしたい場合、暖房器具を極力使わず服装で寒さに耐えられるように、薪ストーブなど暖房器具を使いたい方は2〜3人用の広めのテントを用意するようにします。
ファミリーキャンプ・デュオキャンプ
お互いに安心して過ごすことができる空間がなければみんなで楽しむことはできません。スクリーンタープや2ルームテントなど、壁があるダイニングスペースを確保できると安心です。
グループキャンプ
ソロテントを持ち合わせたり大型テントを複数人で使用したり、それぞれの持っている道具に合わせることが必要です。この場合、テーブルやテントはスペースを共有することができますが、シュラフとチェアはそれぞれが自分のものを用意してもらったほうが良いでしょう(無い場合はレンタルなど)。
あくまでも例として挙げましたが、重視するポイントはそれぞれあると思います。誰と一緒行くのか?相手に合わせて必要な環境を考えてみましょう。
キャンプ道具にこだわらない
特にテント泊にこだわる必要もありません。ロッジやバンガローを利用して、アウトドア料理を楽しむという選択も、キャンプというレジャーの楽しみ方なんです。
野営がルーツということで、テントやシュラフなど『キャンプ道具で過ごすことがキャンプである』という考えの方も多いと思います。ですが、あくまでもアウトドアレジャーであり自然の環境を楽しむことが最も大切なことだと僕は考えています。
暖房やシンクが据え付けられたトレーラーハウスなどを利用して、冬の環境をゆったりと楽しむことの方がよほど有意義な時間になると思いませんか?また、暖を取る手段としてはホットカーペットやホッカイロなどを使えば、冬用シュラフなどが無くても安心して寝ることができます。
暖を取る方法としては
- 冬の外でも過ごせる服装を用意する
- 電源付きサイトでホットカーペットを入れる
- ホッカイロを使う
- シュラフカバーやインナーシュラフを使う
冬の服装
言うまでもなく基本的なことではありますが、やはりこれが一番重要なポイントです。
暑かったら脱げばいいんです。暖房器具は寒さ対策には非常に有効な道具ではありますが、想定以上の冷え込みで暖かさが足りなかったり、万が一トラブルがあったらどうでしょう?
リビングスペースに暖房を設置しておいても、シュラフに入ってしまえば外気を遮断するので中は暖かくなりません。逆にそれなりの用意さえあれば、たとえば足元が寒くて寝れない時などでも、シュラフの足元にダウンジャケットを入れておくことで体温を保持することができたり、道具の効果を応用していろんなシーンで応用することができます。
ホットカーペット
冬キャンプでホットカーペットを体感したことがある方は、誰しもが『最強』というほど最強。 2畳あればファミリーテントのインナーは十分カバーでき、下側に断熱用にマットは必須ですが、それをふまえても冬用シュラフ1つ買うよりもはるかに安いです。
ホッカイロ
どこでも安価に手に入れることができ、体幹の動脈付近や靴下用のものを貼れば抜群の効果を発揮します。ピンポイントで固定できるので、貼るタイプのものがやはり使いやすいですね。
インナーシュラフ ・カバー
どちらも本来の使い方とは異なりますが、保温性能を高める事ができます。ただし、シュラフカバーは体から発する蒸気などを排出しない為、インナーシュラフ内部で結露を起こす可能性があります。ダウンは水分に弱いので使用後はシュラフをしっかりと乾燥させてから収納するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
内容としては「当たり前のことでしょ」と感じる方もいるかと思います。ですが「冬キャンプをやってみたいけど、何を買ったらいいの?」「〇〇は持ってる。あとは何が必要?」など、アウトドア用品店店長時代に実際に何度も聞かれたことがあります。
より寒い地域・雪中・高原など、厳しい環境でキャンプをする際は、環境に対応できる装備は当然必要になります。ただ、地域や施設などを今の自分に合わせて利用していくと、温かい寝床さえ用意できれば、あとはほぼいつも通りのキャンプでいいんです。
日の出による寒暖差でキャンプ場が霧に包まれたり、急激な冷え込みで周辺一帯に霜柱ができたり、他の季節では体感できないような自然現象に出会うことができる冬キャンプ。
自分にできる手段を考えて余裕を持って楽しんでいきましょう♪